2026年1月 「書初め」

今年の書初めに「無為」を選んだ。

近年に限らず中国との関係は歴史認識の違いから問題が山積しているが、 高市内閣の台湾有事発言から問題が顕著になっている。 歴史を振り返ると中国から学んだことは多い。政治の世界を離れると「中国の歴史」特に群雄割拠の三国志を描いた小説やドラマは面白い。


三国志は、2世紀後半から3世紀(約180年頃〜280年頃)の中国後漢末期から三国時代を舞台にした歴史群像劇で、魏・蜀・呉の三国の覇権争いを描いた歴史書。三国志の時代における日本は、卑弥呼が統治する邪馬台国が存在した弥生時代後期にあたる。

その時代を描いたドラマの中に「無為」の言葉が出てきた。戦いに疲れた女剣士が傷病兵や孤児が保護されている寺に掛けられていた「無為」の掛け軸をみて、争いの虚しさを知る。その静けさは悟りにも似ていて静かな感動を味わった。

 

以下「無為」について:
・老子(紀元前571~紀元前470年)の言葉で、中国哲学における無為は、道家思想(老荘思想)の根本概念であり、人間や政治の理想的あり方だとある。「無為」とは「何もしない」のではなく「人間的なさかしらを捨てて、自然に従う」状態を指す。無為自然(むいしぜん)などともいう。水のように生きる。水は、争わない、低いところに流れる、形に逆らわない。しかし最終的には岩をも削る、柔らかいけれど最強である。

 

・日本では平安期の漢詩文に姿を見せ、近代以降は文学・哲学用語として広く浸透した。平安貴族は道家思想に惹かれ、和漢混淆文の中で「無為」を理想的生き方として描いた。江戸時代に入ると、朱子学者や禅僧が解説書を著し、武士階級にも理念が拡散。明治期の思想家・内村鑑三や夏目漱石の作品においても、「無為」は“主体的静観”として言及された。

 

年末から年始にかけて訃報がとどいた。改めて、人の命の重さを考え、自分や大切な人の死を考えた。 葬儀の時には、よく似た人たちが集まるという。人間は成長して離れ離れになり、また葬儀で再会する。 親しい人が亡くなると未来に待っているのは孤独と悲しみだが、人は生老病死を受け入れるしかない。京都源光庵の「迷いの窓」と「悟りの窓」を思い出す。死は終焉でなく生涯の完成だと悟れるだろうか。

 

煩悩ばかりの日々。 「無為」を心に秘めて日々を過ごしたい。

2026年2月 「選挙と冬季五輪」

【衆院選挙】自民党が316議席を得て圧勝し、単独で定数の3分の2を超えた。立憲民主党と公明党が結成した中道改革連合は短期決戦の影響もあり、公示前の半数以下に減らして惨敗した。戦後最多の議席数を得た高市首相は日本をどのように引っ張っていくのだろうか。

 

【ミラノ・コルティナ五輪】 
開会式は、ミラノのジュゼッペ・メアッツァ競技場などで行われた。絵画、彫刻、詩、音楽、踊りが一体化されていて美しく、ワクワクする見どころ満載の演出だった。競技会場も経費抑制や地球温暖化対策の観点からイタリア北部の4会場で行われた。

 

・マスコットのティナとミロが可愛い。
ティナは、探検や新しいことに挑戦すること、変化することが大好き。 ミロは、パラリンピックのマスコット。ミロは生まれつき後ろ足のひとつがないが、創造力と強い意志によって尾を使いこなし違いを強みに変えている。ザ・フロはスノードロップで小さな花は再生の象徴だ。

 

『感動的で印象に残った競技』
・スノボハーフパイプの戸塚「金」、山田「銅」、平野歩夢の命を懸けたトリック
平野歩夢は、15歳で出場した2014年ソチ五輪から2大会連続で銀メダル。北京五輪では、五輪3度優勝のスーパースター、ショーン・ホワイトに勝ち、頂点に立った。今大会は連覇を掲げてきたが、1月に負った大けがで、膝の感覚は「ほとんどない」という状態だった。大けがを抱えながら、その「ダブルコーク1620」に挑戦した。結果は2度の転倒で7位だったが、表情は晴れやかだ。新聞の見出しには「満身創痍 それでも王者は跳ぶ」とある。その魂と勇気に称賛を送りたい。

 

・手に汗握るフィギュア団体銀メダル
ペアのショートプログラムの三浦璃来、木原龍一組と女子SPの坂本花織がいずれも今季世界最高得点で1位、アイスダンスで吉田唄菜、森田真沙也組が8位、この時点で米国が首位、イタリアが3位。男子SPでは鍵山優真がマリニンを抑えて1位になり、ショートプログラムを終えて日本は2位となった。

そして、迎えた団体最終日。 ペアのフリーで三浦璃来・木原龍一組が1位、女子フリーも坂本花織が世界女王のアリサ・リュウ(米国)を抑えて1位。この時点でアメリカと同点となり、男子フリーの佐藤に命運は託された。プレシャーのかかる中、佐藤は自己ベストの最高点をたたき出したが、4回転の神マリニンに及ばなかった。結果は2位だったが、チームジャパンが一つとなって闘う姿は本当に素晴らしかった。

 

・ペアー・フリー 三浦 木原の逆転優勝 
ショートプログラムでは、リフトでまさかのミスが出て5位に沈んだが、フリーでは世界新となる158.13点をマーク、合計を自己ベストの231.24点とし金メダルを獲得した。フリーで演じたのは「グラディエーター」。情感溢れる演技で観客を魅了し、フリー歴代最高得点を記録した。ペアでは日本初となる金メダルに、日本中が沸いた。

 

・フィギュア男子 鍵山優真「銀」、佐藤駿「銅」
世界選手権2連覇中のイリア・マリニンがフリーで大きく崩れ、8位に沈み、鍵山が銀、佐藤が銅メダルを獲得した。鍵山のジャンプの柔らかい着氷や流れるようなステップは見事だ。初出場で銅メダルを獲得した佐藤の4回転ジャンプも安定していて素晴らしい。鍵山の通算獲得メダル数は団体と合わせて4個目となり、フィギュアの日本勢で単独最多となった。

 

・フィギュア女子  坂本花織「銀」、中井亜美「銅」
坂本はショートプログラムで2位、フリーではミスが少しあったものの合計224.90点で銀メダルを獲得した。坂本は、どんな時もメンバーの応援に駆け付け励まし、チームのまとめ役を果たして最後の五輪を締めくくった。帰国会見で、「不安でいっぱいだった」と思わぬ苦悩を明かしたが、「素敵な思い出になりました」と語った。ショートプログラムでは3位だったアリサ・リュウは逆転で金メダルを獲得し、ショートを首位で終えた中井亜美が銅メダルに輝いた。まだ17歳でこれだけの演技ができる。これからもフィギュアスケート界から目が離せない。

 

・3月8日から始まるパラリンピックも楽しみたい。

 

【鈴木宣弘著「令和の米騒動」】 読書会の課題図書。

改めて食料自給率の低い日本の農政や課題について考えさせられた。 鈴木宣弘に対しては、反農薬運動や遺伝子組み換え闘争を牽引するブレーン的存在との批判もあるが、昨年から続く米騒動からも分かるようにこれからの農政のかじ取りが大事になってくる。


本の概要:
・食糧敗戦は、長年の政策失敗が限界に達し国内の米供給能力が低下した結果だ。
・構造的な問題としては、低い米価が続いたことで農家の離農や高齢化が加速し、米を作れない状況が作られた。
・猛暑による不作に加え、パンデミック、戦争、輸入拡大などの外部要因が重なった。
・「規模拡大・スマート農業・輸出」の推進だけでは食料自給率は改善しない。
「令和の米騒動」を一過性の出来事とせず、日本の農業と食を立て直すように提言している。

 

食料の大部分を海外に依存している日本は、いざという時の対策が不十分で不安が広がる。我が家の小さな庭に植えた10本のバラを少し減らして野菜を植えたいと思っている。